Special Interview vol. 13
ミュージカルや音楽、演劇など、さまざまなジャンルで活躍していた
畠山眞葵、今野直美、ポケ、坂口勝、吉田ひかる、宮島朋之、千葉香織の7名からなる
エンターテイメント・ユニット『TAP DO!』。
そのリーダーを務めるポケさんに、
結成のきっかけや、TAP DO!の舞台におけるタップダンスのポジショニング、
昨年夏に行ったイギリス・エディンバラでの公演の様子、今後の抱負など
たっぷりとうかがいました。
●TAP DO!オフィシャルWEBサイト http://tapdo.com/
★TAP DO!は男性3名に女性4名。個性的で魅力的なキャラクターがそろっていますが、どういうきっかけで生まれたユニットなんでしょうか?
メンバーとはもともと、あるスタジオで知り合ったんです。畠山はそのスタジオのタップの先生で、今野と僕はそのスタジオのレッスンに通っていて。立ち上げ当初はあと2人、今はもうグループを離れた女性メンバーがいて、坂口はまだその頃はサポート的な存在でしたね。

★畠山さんのクラスの発表会的なものであれば、人数はもっとたくさんいらっしゃったのでは?
確かに最初はクラスの発表会的なものをという話だったわけですけど、じゃあどうしようかという具体的な話になった時に、ある程度メンバーを絞ってやってみようかということになったようです。今野や僕はレッスン生ではありましたけど、今野はミュージカルの分野で、僕はお笑いや芝居の分野ですでにプロとして活動しながら、さらなるスキルアップのためにスタジオに通っていたというスタンスだったので、一緒にやろうよと声をかけていただいたということですね。
★なるほど。第1回のライブはどこでなさったんですか?
残念ながら今はもうなくなってしまったんですが、六本木のIsn’t it?というバーでした。当初は本当に年に1度、発表会的にっていうノリだったんですけど、おかげさまでそのライブがとても好評で、その秋に早速、再演することになりまして。翌年も、畠山と今野と僕だけで夏と秋の2回、同じ会場でライブをやらせていただきました。
★年に1度の発表会だったはずなのに、思いがけない展開でしたね。
そうなんです。さらに次の年の2004年も、会場を渋谷の7th Floorというバーに移して3月と6月にライブをやらせていただいて、10月には六本木のアトリエフォンテーヌで初の劇場版を上演しました。
これもまたおかげさまで評判がよくて、ご覧になった方が「TAP DO!のようなユニットは、見たい人が見たい時に見られる場所を作るべきだ」とおっしゃって下さって、2005年は6月から9月にかけての3ヶ月間、毎週火曜日に蔵前のKURAWOODというライブハウスでショーを行うという定期公演の機会もいただきました。
★現在のメンバーになったのはいつですか?
最初の数年は何度か人が入れ替わって、現メンバーの吉田が加わったのが2004年10月の劇場版1から。ベーシストの宮島は生演奏を取り入れた2006年3月の劇場版3からの参加です。その時、ピアニストも入ったんですが、それから2回入れ替わって2007年4月の特別公演から3代目のピアニストとして千葉が加わったので、現在のメンバーになったのは2007年ということになりますね。
僕らは小学生に例えると、畠山が6年生、今野が5年生、僕が4年生、坂口が2年生、吉田が1年生という年齢構成で、みんな立派なアラフォーなんです。そんな中、宮島と千葉はまだ20代で、平均年齢をぐっと下げてもらってます(笑)。
★ポケさんはユニット発足当時からリーダーを務められていたんですか?
いえ、最初はリーダーは決めていなかったんです。そもそも年に1度の発表会ノリでしたから、リーダーなんて必要ないと思ってましたし。でも、トントン拍子で次のライブが決まって、TAP DO!を続けて行こうかとなった時に、じゃあ演出家的な役割も担えるリーダーがいた方がいいんじゃないかということになったんです。

特にリーダーを決めていなければいないで、いい面もあるんですが、やっぱりものごとがなかなかまとまらないとか、劇場選びひとつにしても勢いだけで決めてしまうとか、よくない面もあることがわかって来たので。
たまたま僕は役者として自分で脚本を書いて、自分で演出して、自分で演じる独り芝居なんかもやっていたので、とりあえずのノウハウはあるし、ということで、2年目から僕がリーダーをやることになりました。
★そのほかの皆さんにも役割分担的なものはあるんですか?
宮島はベース、千葉はピアノ、これは一目瞭然ですが、ミュージカル畑で活躍してきた畠山、今野、吉田は、主にタップや歌のリーダーシップを取って、パーカショニストのほか歌のお兄さんとしても活躍していて、日体大卒でアクロバット的なことも出来る坂口はリズムとアクション担当。お笑いやお芝居の道を歩んできた僕は主にコメディー担当…と、ショーを作って行く上ではそれぞれのバックグラウンドを生かした役割がありますね。
でも、普段は舞台の上とは違って、意外に僕は真面目で、今野と坂口がおふざけ担当。一番年上で仕事上ではまとめ役の畠山が実はおっちょこちょいで、年下の吉田がしっかり者だったり…それはそれで、ショーの時とはまた違った個性が発揮されてバランスが取れてると言うか。面白いなーと思います。
★ここ数年は毎年、コンスタントに劇場版の公演も打たれているし、最近は全国各地のおやこ劇場などでもご活躍と聞いてます。TAP DO!さんならではのエンターテイメント性にあふれたパフォーマンスがたくさんの方に受け入れられているからだと思いますが。
有り難いことに2005年に3ヶ月間、毎週1回ライブを打つという場を持たせていただいたのをきっかけに、いろんな方から仕事の依頼が舞い込むようになりまして、幼稚園や小学校から企業のパーティー、ショッピングモールでのイベントとか、本当にいろいろなところでパフォーマンスをさせていただくようになりました。
TAP DO!としては3分から5分くらいのネタを160本くらい持ってるんで、それを自由に組み合わせて、会場や上演時間、先方のニーズに合ったショーを構成できるところも強みになってるのかもしれませんね。
★おやこ劇場はまさにTAP DO!さんにぴったりな活躍の場ですよね。
そうですね。でも、おやこ劇場でも決して子供向けのネタをやっているわけではないんです。子供はすごいですよ。ちゃんと面白いものと面白くないものがわかるし、ホンモノを見分ける力も持ってます。
ショーが始まって数分は悪ガキがヤジを入れたりするんですけど、ショーが続いて行くうちに目を輝かせて舞台に食いついて来るのがわかるし、最後はノリノリで盛り上がってくれるんです。だから僕らも気は抜けないし、いつも真剣勝負させてもらってます。
★TAP DO!のライブで印象的なのが、「タップ3割、笑いが7割」というテーマソングです。『TAP DO!』というユニット名ながら、あえてタップをメインに押し出していない、その理由は何ですか?

そのためのツールが音楽であり、リズムであり、タップであるというわけなんですね。だから持ちネタも、6割くらいがタップがからまない作品になってます。
でも、歌あり、パーカッションあり、ジャグリングやバトントワリング、チアもある、そういうバラエティ豊かなエンターテイメントの中にパッとタップが入るからこそ光る。そういうことってあると思うんですよ。むしろその方が印象的っていうこともあるんじゃないかっていう。
★ステージの中でタップが占める時間の長さの問題ではないと。
そういうことです。これは本当のことなんですけど、僕らはタップに力を入れてないわけじゃないんです。あれもこれもやりたいから、どれも稽古しなくちゃいけなくて、現実にはタップだけに専念はできませんけど、コンスタントに稽古もしているし、スキルアップにも務めてます。常に上を目指す気持ちはタップについても同じですから。
もちろん、プロのタップダンサーの方やタップを習っていらっしゃる方の中には、こうした形のショーを『TAP DO!』という名前でやることに賛否両論あるのはわかってます。
実際、『TAP DO!』という名前で活動することにはデメリットもあって、『TAP DO!』なんだからタップをたくさん見られるだろうと期待して来場される方の中には物足りなさを感じる方もいらっしゃるでしょうし、逆に、タップにそれほど興味がない方には、タップにはあまり興味がないからと敬遠されてしまったりもするんです。
でも、とにかく、タップの比率がどうこうではなく、最高のエンターテイメントショーを追求して創り上げている舞台なので、プロのタップダンサーの方にも、タップを習っていらっしゃる方にも、タップをご覧になったことがない方にも、ぜひ一度ご覧いただきたいと思います。その上で好きとか好きじゃないとか個人的な嗜好があるのは、それはもう当然のことですから。
★TAP DO!さんならではの、タップに対するこだわりは何ですか?
まず、わかりやすいことですね。僕らの舞台はタップマニアのお客様が比較的少ないですから、技術的なレベルがどうこうと言うよりも、楽しさを演出する上で効果的な表現や心地よいリズムであることを一番に考えています。初めてご覧になる人やタップを全然ご存じない方の気持ちをいかにつかんで、グッと引き込むか、ですね。

そのために、全体の構成や演出については、とことん考えて悩み抜いて固めて行きます。僕らは時々ストリートパフォーマンスもやるんですが、その経験も役立っていると思います。
★2008年8月のイギリス・エディンバラでの劇場公演も大好評だったそうですね。
エディンバラには畠山と今野と僕の3人で行ってきました。実は、これまでも2回行ってるんですが、どちらもストリートパフォーマンスしかしていないんで、劇場公演は去年が初めてだったんです。
このフェスティバルには、芝居や音楽、バレエなどありとあらゆるジャンルのアーティストが集まって来るんですよ。会場になる劇場もいくつもあって、その格もいろいろで、それぞれのアーティストが送るプロフィールや動画を見て、劇場側がOKを出したら出演が可能になるというシステムで。
★ということは、主催者側に招かれて参加しているわけではないということですか?
はい。自由参加なので、基本的に出たい人は誰でも出られるんです。その代わり、交通費も宿泊費も自分持ちで、劇場のチケットの売り上げ分からのみバックマージンがもらえるということです。
幸いTAP DO!は定員が100名ほどの劇場からOKをもらってショーが出来ることになったんですが、なんとか客席を埋めないと、と毎日ストリートパフォーマンスをして一生懸命宣伝して…。

そうしたら見に来て下さったお客様の口コミで広がって、地元の新聞にも取り上げられて、最終日はチケットがソールドアウトになりました。これはうれしかったですね。もうチケットバックがどうのじゃなくて、日本を遠く離れた土地でたくさんの方がTAP DO!を観に来て下さったということに感動しました。
★言葉の通じない異国でのパフォーマンスは、いろいろ大変なことも多いのではと思います。
いえ、それがそうでもないんです。もともと僕らの持ちネタの8割くらいはセリフがないので、言葉の問題もほとんどないですし。時々つたない英語を添えるんですが、そのつたなさが笑いを誘ったり、かえって英語が出来ないことがプラスになるくらいでした。
もちろん、外国であることを意識した演出も加えました。やはり向こうの方は“東洋から来た3人組”というイメージで捉えていますから、それなら日本から来たことをしっかりアピールしようということで、ショーの名前を『TOKYO TAP DO!SUSHI TAP SHOW』にして、1時間ほどのショーのラストには和風の衣装でリズムとリズムの間に意味なく「マグロ!スシ!」とか叫んだりして。ショーの中には寿司に関するネタは一切ないんですけどね(笑)。
★お客様の反応は、やはり日本とは違いますか?
向こうの方はパフォーマンスの善し悪しのみで評価するので、よければ拍手をいただけるし、悪ければ帰ってしまうし、そこはシビアですね。

そんな中で、TAP DO!のファンになって下さった方もいらっしゃって、この前も「今年はTAP DO!のショーが見られなくて残念だった」というメールをいただきました。
★海の向こうで再会を待っていて下さるファンがいるなんて、素晴らしいことですよね。ほかの国でも公演が実現するといいですね。
そうですね。フランスとかアメリカとか…。僕たちラスベガスが大好きで年に1回は行くんですが、いつかラスベガスでもショーが出来たらいいなと思います。
★ラスベガスではギャンブルには目もくれず、勉強ひと筋ですか?
いえ、ギャンブルもやることはやります(笑)。でも、メインはそっちじゃないですから、1日に3〜4本はショーを見て、いろいろなものをしっかり吸収するようにしています。
★さて、それではそろそろ今月21日〜25日に上演される結成7周年記念『TAP DO! ~ハッピー大収穫祭~』についてうかがいたいと思います。今回は7本目の劇場版になるわけですが、劇場版は毎回、内容を一新しているんですか?
劇場版については毎回、ほぼ新作で構成しています。芝居なら、同じ演目でも役者や脚本が変わればかなり色も変わりますが、タップは基本的にスキルを見せるものですから、演者が変わっても劇的な違いは出せないし、例えば、悲劇を喜劇には仕立てられないっていう側面がありますんで。
ただ、よりグレードアップした芸をお見せするという点ではタップも芝居と同じですから、「これは鉄板」という自信を持って何度もお見せしたい定番のネタもいくつか、新たなアイディアを加えるなどした上で構成の中に組み込んでいます。

★「あの時のあれがまた見たい」というお客様のニーズもありますものね。では、今回の見どころをぜひ。
そうですね。これは今回の公演に限ったことじゃないんですが、宣伝コピー的に言うと…
「ストンプとブラストとブルーマンとシルク・ドゥ・ソレイユと宝塚と浅草演芸ホールを生演奏とともに、ひとつの舞台で全部楽しめる1時間半! TAP DO!の7人が織りなすレインボーカラーのステージは、楽しさも3倍でスリーセブン。貴方にもラッキーが訪れるかも?」…と、一気にまくし立てましたが、こんな感じでしょうか(笑)。
お子さんからお年寄りまで、幅広い年齢層の方にぜひお越しいただき、楽しんでいただけたらうれしいです。
★それでは最後に、今後の抱負を聞かせて下さい。
これからもライブやショーを通じて、出来るだけ多くの人の笑顔に出会いたいですね。そのために去年から呼んでいただいているおやこ劇場でも全国を廻って、たくさんの人たちにタップや音楽、リズムを届けて笑顔になっていただきたいですし、TAP DO!オリジナルのジャパンツアー、ワールドツアーもぜひ実現させたいと思います。
もうひとつの夢は、川平慈英さんや尾藤イサオさん、小堺一機さんなど、日本を代表するボードヴィリアンの方々と共演することです。『TAP DO!+川平慈英』というような形で、毎回違うボードヴィリアンの方をお招きしてショーをシリーズ化出来たら最高ですね。
細かいことですが、振付や歌唱指導など、これまで自分たちでやってきたことを外部のプロにお願いして、より一層の芸のグレードアップにつなげて行ければとも考えています。
あと、これもぜひ書いてほしいんですけど…TAP DO!のコンセプトに共感して、一緒にやりたいと思ってくれる若者を募集中です。そろそろ後進も育てて行ければと思うので。
★応募条件はありますか?
今、若者と言いましたが、性別年齢不問です!条件としては、まずやる気があること。それから、タップ+αの特技があること。タップは基本ですけど、たとえばそれ以外に芝居が出来るとか、唄が歌えるとか、お笑いには自信があるとか、そのほかこれまでのTAP DO!にはなかった新しい色を加えてもらえる領域のものも大歓迎です。
ご興味のある方は、TAP DO!事務局 (03-3305-3997/tap-do@s6.dion.ne.jp )までご連絡いただけたらと思います。よろしくお願いします!

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