昨年、ここ韓国で新しい動きがありました。なんと2008年11月より、アメリカへ渡航する際のビザが必要なくなり 行き来がとても自由になったのです。
 
 タップダンスを学ぶ者にとって、アメリカは『本場』と呼ばれる場所。にもかかわらず、たとえ数日間でも、そして滞在の理由が純粋にタップを学ぶためであっても、ビザの問題で渡航出来ないことがあるかもしれないという状況は、それが国の決まりであってもとても残念なことだと感じていたので、私自身、このニュースを耳にした時には大変うれしく思いました。

 韓国ではここ最近、ウォン安問題など重たいニュースが続いていますが、このニュースは昨年末の空気をとても明るくさせたのではないでしょうか。

 
 さて、2回目のレポートとなる今回は、『その後の韓国タップ界の動き』について皆様にご報告したいと思います。
 
 所属しているダンスチーム『FLOOR ESSAY(フロア・エッセイ)』のライブを通して、これまでの間に、さまざまなジャンルのダンサーたちを近くで観て来ました。ここ韓国では、ジャンルは異なっても同じステージに上がる仲間としての一体感をいつも感じることができます。 
 
 もちろんお互いがライバルなわけですが、その中にも学び合うという姿勢、助け合う、分かち合うといった雰囲気があり、『家族愛』をものすごく大切にしている韓国人独特の風習がとてもよい形で生きていることを実感しています。 
 
 韓国でもタップダンスはまだまだマイナーなジャンルなので、ダンスイベントの際もタップダンサーは全体の1割にも満たない状況が多々あります。それでもタップシューズが舞台に上がることで、タップダンスというジャンルが理解され、確立されることを期待して私たちは踊っています。
 
 そんな願いが少しずつ実を結び始めたのでしょうか。初めて半年以上になる私の韓国語のブログ(partnership with bluegrasp in seoul)にも、ここ最近、タップダンスを始めてみたいという方、毎晩公園でバンドと一緒にタップパフォーマンスをしている方々、いつもスタジオでひとり黙々と練習しているという方など、タップを愛するたくさんの方からメッセージをいただくことが多くなりました。

 その中で最近、目立って多いのが、「アメリカへ行く前に日本でタップ留学をしたいのでスタジオを紹介してほしい」というメッセージです。彼、彼女たちがタップを学ぶ場所として日本を選んでくれているということは、私にとってもうれしいこと。頑張ってほしいという気持ちがますます膨らみます。
 

 そしてもうひとつ、ビッグニュースが。

 韓国ではこれまでタップダンサーが個々に活動する機会が多く、今まで一度も大規模なタップフェスティバルを開催したことはありませんでしたが、昨年、『韓国中のタップダンサーたちが集結する場』を今ここで実現してみたらどうだろう、同じシューズを履いている者同士、何か分かち合えるものがあるのではないか、という話が持ち上がり、話し合いを重ね、準備を進めて、この4月に第1回目の『Korea Tap Dance Festival』を開催する運びとなりました。
 
 こうしたイベントを開催することは、先代のタップダンサーたちにとっても夢だったに違いありません。すべてが一からの作業なので何を決定するにも時間がかかりますが、夢を形にする作業はやりがいもあり、私自身、このような機会に携われることをとても光栄に思っています。
 
 ソウルを中心にプサンの方からも参加チームが集まる予定で、日本からもスペシャルゲストとしてHIDEBOHさんをお迎えすることになっています。
 
 この公演を通して、個々に活動していたタップダンサーたちの手がつながり、大きな円になることを、関係者や出演者、皆が願い、韓国ならではのタップダンスフェスティバル成功に向けて現在、力を合わせて頑張っています。

 韓国はとても近いお隣の国です。日本のタップダンサーの皆様も、ご都合がつけばぜひご来場下さい!
 
 
★2009 Korea Tap Festival〜Live〜
■日時 4月11日(土)16:00&19:00開演
■会場 SMサンミョンアートホール
■チケット料金 1万ウォン(全席自由)
■スペシャルゲスト HIDEBOH(from Japan)
■チケットは当日、会場にて販売
■問い合わせ bluegrasp@naver.com (日本語OK)


★2009 Korea Tap Dance Festival~HIDEBOH Special Workshop~
■日時 4月12日(日) 14:00~15:30
■会場 TAPPERS(http://www.tppers.co.kr)
■講師 HIDEBOH(from Japan)
■クラスレベル 中級
■受講料 4万ウォン
■問い合わせ bluegrasp@naver.com (日本語OK)


●2009 Korea Tap Dance Festival オフィシャルブログ
 http://club.cyworld.com/club/main/club_main.asp?club_id=53008987
 



日暮良子(ひぐらし りょうこ)

1976年東京生まれ。幼い頃よりバレエ、ジャズ、ヒップホップ、ハウス、タップ、声楽、芝居などを学ぶ。1996年、ニューヨークに渡り、ブロードウェイミュージカル『BRING IN'DA FUNK BRING IN'DA FUNK』に衝撃を受け、ファンクタップの道を選ぶ。

1998年より大阪・Basement Studioにてインストラクターを務めるかたわら、タップユニット『[bais]crew』のメンバーとして活動。2001年、再渡米し、ライブリズムパフォーマンスカンパニー『鼓舞』のメンバーとしてオフブロードウェイの舞台に立つ。同年、ニューオリンズに移住し、『Happen Dance Company』『ZABUNBA』のタップメンバーとして活動後、2002年、拠点を再び大阪へ。

2007年、結婚のため韓国に移住し、パフォーマンスグループ『FLOORESSAY』の公演 『L.O.V.E』にタップ出演。BASEMENT TOKYOと共に韓国でのタップシーンを盛り上げるべく『partnership with bluegrasp in seoul』を立ち上げ、現在に至る。
partnership with blp in seoul 代表。 

●partnership with blp in seoul ブログ http://blog.naver.com/bluegrasp

●日暮良子ブログ http://ameblo.blog/blue-grasp/
 
mailto:bluegrasp@naver.comhttp://www.tppers.co.kr/mailto:bluegrasp@naver.comhttp://blog.naver.com/bluegrasphttp://ameblo.blog/blue-grasp/shapeimage_4_link_0shapeimage_4_link_1shapeimage_4_link_2shapeimage_4_link_3shapeimage_4_link_4


みなさん、はじめまして。タップダンサーのNatsuoです。現在、フランスのブザンソン(Besançon)という街に1年間の留学中なのですが、この機会を利用して、フランスのタップダンス事情についてレポートさせていただくことになりました。

 とは言いましても、最先端の芸術活動は、やはり華の都・パリに集まります。その点、僕が住む街ブザンソンは首都・パリから遠く離れた田舎街。確かに芸術都市として有名ではあるのですが、パリには遠く及びません。

 本来ならばパリを中心としたタップダンスシーンのレポートができればと思っていたのですが、今は学期の真っ最中。勉学のかたわら、なかなかパリまで足を運ぶ時間がとれません。そこで今回はまず、田舎街としては珍しく(!)タップのコースを持つダンススクールが3つも存在する街、ブザンソンのタップ事情に関してご紹介させていただこうと思います。

さて、まず『タップ』という言葉ですが、フランス語ではこの発音ではタップダンスのことは指しません。もちろんタップダンス関係者の間では英語で『tap』と言えばわかってもらえるのですが、一般的には『claquettes (クラケット) 』と言い、それを生業とする人、すなわちタップダンサーのことは『claquettiste(クラケティスト)』と言います。

 『claquettes』というのはもともと『claquer(クラケ)』という、「カン!」とか「パン!」とかいうような乾いた音を発する、という意味の動詞から来ていて、それに指小語と呼ばれる『ette』が付いた「乾いた音を発する小さなもの」という意味の言葉です。つまりタップチップのことを指しているのですが、スタンダードなタップシューズではチップが4枚あるので最後に複数を示す『s』が付いているわけです。みなさん、フランスでタップのスタジオを探す際にはご注意を!

自分から勝手に語り出したのに恐縮なのですが、言葉のお勉強はこれくらいにして、本題のブザンソンのタップダンス事情に入っていきたいと思います(笑)。

 今回はいつも僕が自主練で使わせてもらっている『École de Danse Biton&Martin(エコール・ドゥ・ダンス ビトン・エ・マルタン=ビトン&マルタン・ダンススクール)』の主宰であるSimon Martin(シモン・マルタン)氏に少々お話をうかがってきました。

 ちなみにこのスクール、日本ではあまり考えられませんが建物の2階にあります(笑)。 まぁ、すぐそばに住居があるわけではないからかな。

 彼によれば、フランスではタップは大きく分けて2種類あるそうです。アメリカン・タップとアイルランド・タップ。日本ではタップを2種類に分けるといつも『ブロードウェイスタイルかリズムタップ』という2つのアメリカのスタイルの区分けになってしまいますが、やはりここはヨーロッパ。日本では少数派のアイルランド・タップもタップシーンの中で確固たる地位を築いています。

 レッスンでもしっかりどちらも取り入れられていて、半分はアメリカンスタイル、半分はアイルランドスタイルという構成になっていました。

 逆にブロードウェイスタイルとリズムタップとの境界線は薄い、とのことでしたが、個人的な印象ではまだまだ『リズムタップ』という概念自体があまりフランスでは普及していないように感じます。パリの方ではリズムタップの普及をメインに活動している方もいらっしゃいますが、『アメリカンスタイルのタップ=ブロードウェイスタイル』というのがやはり一般的なイメージでしょう。僕も何度かパフォーマンスをしましたが、終了後に来てくださったお客さんと話すと、

「素晴らしかったわ!とてもテクニカルね。でもやっぱりフレッド・アステアやジーン・ケリーも素晴らしいわよね~!」

という会話になることがしょっちゅうあります。

 もちろん僕もフレッド・アステアやジーン・ケリーを尊敬して止みませんし、彼らのダンスシーンを見るのは大好きなのですが、フランスの人々の多くはどちらかというと芸術に求めるものが『泥臭さ』や『かっこよさ』ではなく、『優雅さ』や『美しさ』なのかな~、というのが正直な感想です。

 もちろん「だからフランス人の感覚はダメだ!」ということではありません。今の日本のタップダンスシーンにおいてはなかなか得ることのできない観点で、非常に興味深いと思いました。僕もどちらかといえば優雅で美しいものの方が好きですし(笑)、逆に「リズムタップだけ、リズムタップこそが本物」という考えは非常に危険かも…。この芸術観の下ではやはり、その『泥臭いかっこよさ』が魅力のリズムタップが普及するのは難しいんじゃないか、とも思うわけです。

 でも、フランス人ってコンセプトがしっかりしていれば芸術的なものは何でも肯定的に見るし、若い世代ではストリートダンスも流行っているみたいだし、やっぱりしっかり普及活動をすればリズムタップがフランスでも新たに一つのスタイルとして一般的に認められる日もそう遠くはない・・・・かな?(笑)

 次回はパリのタップダンスシーンをご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに!





Natsuo(清水夏生・しみずなつお)

7歳でタップダンスを始める。その後、ヒグチタップ・ジャズダンススタジオ(当時)に通い始め、火口ひろ子、HIDEBOH、RONxllに師事。また同スタジオでヒップホップやジャズダンスも学ぶ。私立暁星高校卒業の後、上智大学外国語学部フランス語学科に進学し、勉学のかたわらHIGUCHI DANCE STUDIOで講師を務め、舞台やイベントに出演するなど、タップダンサーとしても活躍。現在、フランス・ブザンソンのフランシュ=コンテ大学 文学部舞台芸術学科に留学中。

●NatsuoオフィシャルWEBサイト
http://members3.jcom.home.ne.jp/makotodes/index.html



●Natsuo動画
http://www.youtube.com/watch?v=7qkJ2-hf5HA
http://www.youtube.com/watch?v=JS_5khBNgIw&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=wNzOrnWCyMU




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